人生初の4サイドキャンプツーリングの3回目
アルプス ローバーの特徴は他にもあります。
前部を見てみますと、フロントキャリヤはエンド上部のダボに固定されていますが、これは一般的な取付方法ですが、上部はフォーククラウンに固定されています。だだし、フォーククラウンにボルトをロー付けしてナットで固定されています。フォーククラウンはフロントフォークの中で最も強度のある部分です。ここで強度を稼いでいます。
最も注目される部分は、フロントキャリヤにサイドバッグを固定する方式でしょう。
M5のボルトとナットを2箇所着脱するだけで簡単に着脱出来る様になっています。
サイド枠を取り付ける時、
① エンド上部にある半円形のお皿にサイド枠を乗せて
② M5のボルト締めつける。
もうひとつの大きな特徴は、キャリヤのサイド枠がフレームに固定されていないことです。
サイド枠がフレームに固定されていないことで、転倒事故によるフレームの変形を防ぐためです。
ルネ エルスの様にフロントフォークやシートステーにサイド枠を固定すると、走行時の機械的強度は向上しますが、転倒時に側面から力が加わった場合、フレーム自体に力が加わります。フレームに直接固定しないことで、これを未然に防ぐことが出来ます。
この仕組みは、創業者の萩原慎一氏の考えと言われています。
長距離、長期間の走行を想定した非常に優れた配慮と言えます。
サイド枠の簡単な着脱の仕組みも、同様に宿泊時に荷物を宿屋に持って入る場合、大変に便利です。
昔シルクキャンピングで長期間旅行した時、いわゆるルネ エルス方式だったため、大変めんどうでした。
各部に実用的な配慮がうかがえます。日本で最初に輪行を考え出した萩原氏らしいですね。
ライト関係ではフロントキャリヤでは、東叡社の創業時からよく見られるライトの破損から保護するためのケージ。電線は内臓せずに、小さな輪っかをフレームにロー付けし、その中を通しています。
他にバッテリーライトの取り付け用台座も付いています。
やはり長期間の旅行でライトの破損を防ぐためのケージですし、ダイナモコードの破損時に簡単にコードを交換できることを想定したものです。
以上の点において、ルネ エルスの航空機技術者としての機能美と機械的強度を追求した自転車とは違って、私は大変な魅力と美しさを感じます。
しつこいようですが、リヤキャリヤも見ていきます。
やはり、フロントキャリヤ同じポリシーが貫かれています。
キャリヤの上に荷物を括り付けやすい様に、ペグが左右それぞれ3本取り付けられています。
しかもペグの先は半円形の頭が取付られています。
できるだけ大きい荷物が乗せられる様に、サドルした、アーチパイプもシートクロスによるスペースの広さと併せて、できるだけ前方に取り付けられています。最も強度のあるシートステーのクロス部分に固定されています。
決してカンティ台座には取付ません。長期間の旅行でブレーキ台座が外れたら大変ですから。
他に、チェーンプロテクターもゴム帯は切れてしまうので、三角形の環になっています。
リヤーディレーラーのアウター受けと、リヤブレーキワイヤーのアウッター受けもワイヤーの弛みを調整できるものになっています。
この写真はリヤキャリヤのエンド取付部です。
走行中固定ボルトに上下方向の力が加わり、切断しない様に突起がロー付けされています。
ボルトはおネジがエンドにロー付けされ、ナットで固定されています。
これも長期間の旅行時のトラブル防止のための細かな配慮です。
ルネ エルスではコの字型のブラケットにして、上下方向の力を受けています。