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NIVEXについて 追伸2

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の追伸2です。
 今回はNIVEXと言う変速機メーカーの歴史についてです。
イアン ハイネ氏が発刊しているビンテージ バイシクル クォータリーに載っています。
以下はその原文と翻訳です。
Nivex: The first production parallelogram derailleur
The French Nivex derailleur was developed by P. Gardini,
G. Trottierand R. Dechanet. It was patented in various
 European countries in 1937, and entered production in 1938. The Nivex
 was the first parallelogram derailleur that sold in significant numbers.
Made from stamped steel, it is not very pretty, but it works very well.
This is no accident, but the result of careful design that was decades
ahead of the competition: The parallelogram is mounted on the chainstay.
It moves the upper pulley away from the rear axle as it swings toward bigger
cogs, "keeping the chain always at the most favorable distance to the
freewheel cogs. The pulley follows the contour of the freewheel, ensuring
what Frank Berto called the "key design feature [...of] a fairly
constant chain gap" [distance between pulley and freewheel cog].
The cage pivots around the upper pulley axle, so front shifts do not
affect the position of the upper pulley in relation to the freewheel, even
with the then-common 48-32 chainrings. A clever lever arm keeps
the chain tension constant, whether the chain is on the big or small
chainring. This is especially useful with small front chainrings, where
chain tension of conventional derailleurs often is insufficient to keep
the chain from hitting the chainstay. From my experience, the Nivex
shifts extremely fast and positively, as well or better than most modern
derailleurs. Without a return spring, there is very little resistance,
making for very smooth shifts. The Nivex works well even on 5- and
6-speed freewheels.
A few French cyclotouring bicycles used the Nivex in the 1940s and
1950s, especially those made by Alex Singer, who filed and chromeplated
the basic derailleur to beautify it. Unfortunately, Nivex lacked
the financial resources to advertise their derailleur widely, so it
remained relatively unknown. Production continued into the 1950s,
then the French constructeur Dujardin bought the remaining parts and
assembled additional units until 1968.
                                             from  Volume 2, Number 2
                                                    Vintage BICYCLE quarterly
フランス製NIVEX変速機はP.ガルディーニ、G.トロッイエ、R.デシャネらによって開発されました。
 1937年にはヨーロッパの様々な国で特許を取得し、1938年に発売されました。NIVEXは世界初のパンタグラフ機構の変速機で、かなり数が販売されました。見た目はあまり良くありませんが、優れた品質のスタンプの打たれた鋼材が使われました。(注:品質保証の表示がされた優れた品質の鋼材のこと)
 パンタグラフ機構がチェーンステーに取り付けられているのは偶然ではありません。何十年も他社に先駆けていた慎重な設計の結果です。
 それはフリーホイールに最も有利な距離で常にチェーンを保持し、後輪の軸から離れたアッパープーリーを中心にして大きいプーリーがスイングして動作します。プーリーはフリーホイールの歯の輪郭に従って動きます。フランク ベルトーは”チェーンのギャップを一定にすることは主要な設計機能(常にプーリーとフリーホイールの歯の間隔を一定に保つこと)”であると言った。
 アッパープーリーの軸の周りにあるケージのピボットは、アッパープーリーの位置はフリーホイールとの関係で、当時の一般的な歯数の48枚-32枚の組み合わせのフロントチェーンホイールの変速に影響します。巧妙なレバーアームにより、大きなギヤの場合や小さなギヤの場合でもチェーンのテンションを一定に保つことが出来ます。これは、小さなフロントギアには特に便利です。従来のディレーラのチェーン張力は、多くの場合、チェーンステーをチェーンが打つため、維持するには不十分です。(注:キャパシティの問題)
 私の経験では、NIVEXのシフトは、非常に高速かつ確実で、最も近代の変速機よりも良いです。NIVEXは5、6速でさえ十分な動作をします。
 1940年代から1950年代のいくつかのフランスのサイクルツーリング用自転車にはNIVEXが使われていました。特にAlexSingerでは磨かれてメッキされ、標準的に良く使われていました。残念ながら、あまり詳しくは分かりませんが、NIVEXは幅広く製造、販売するための財源があまりありませんでした。生産は1950年代まで続きました。その後、1968年までにその部品すべてをフランスのコンストラクターのデュジャルダンが買い取りました。
                                                                 Volume 2, Number 2
                                                                                     Vintage BICYCLE quarterlyより
 
 
その後NIVEX社はAlexSINGERの比較的近くにあったので、エルネスト シューカ氏が見に行って、見ている前で、残った治具類がNIVEXの社員の手で地中に埋められました。(エルネスト シューカ氏談) 。
 
以下の写真はNIVEXのパッケージですが、
「Sales Agents CONSTRICTOR CO,LTD,」とあります。
イメージ 1
 
つまり運転資金を確保するために、イギリスのコンストリクター タイヤ カンパニー社に販売権の譲渡した様です。
他にエンドには「OSGEAR」の刻印が、ナットには「SUPER CHAMPION」とあります。「OSGEAR」はコンストリクター タイヤ カンパニー社の変速機のブランド名です。コンストリクター タイヤ カンパニー社はオスカーエッグ社から(スーパーチャンピオンはオスカーエッグ タイヤ カンパニー社の変速機のブランド名)ですが、ここから変速機を輸入していましたので、エンドの製造を依頼していた関係であった様です。
イメージ 5
 
NIVEXにはチェーンステーに対し、バンド付け用と直付け用が用意されていました。
以下のパッケージを見て下さい。
イメージ 2
  フランス語の「constructeur」は組立用ですから、バンド止め用です。
「collier」(コリエール)はネックレスの意味ですから、直付け用と考えられます。
また直付け用には説明書が付いています。
イメージ 3
イメージ 4
チェーンステーに取り付けるブラケットは真鍮製のものを使う様に指示されています。理由はブラケットをロー付けした後、変速機位置を微調整できる様にプライヤで簡単に曲げられるためと書かれています。取付位置の指定はされていません。変速出来るフリーの段数は3~5段となっています。キャパシティは16Tと書かれています。
 しかしながら、実際にはほとんどコンストラクターがこれを守らず、鉄製のブラケットをロー付けしていました。

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