これまでリヤ変速機の事について書いてきましたが、フロント変速機も発売していたことも広く知られています。
実は他にも自転車部品を発売していました。
以下の写真は1952年のLeCYCLE誌からの抜粋です。
この記事はポリーに出品されたものをダニエル ルブール氏が記事にしたものです。
上記の5.はフロント変速機です。
以下の写真はその実機です。
イラストと同じです。構造はリヤ変速機と良く似ていて、二本のワイヤーで羽根が付いたスライドシャフト部分を左右に天秤機構を使って移動させる仕組みです。
次に、ポリーのイラストの6.はシートチューブ部分、7.~8.はヘッドチューブ部分です。
6.のシートチューブ部分はシートチューブの後ろ半分だけがラグになっていてシートピンが2本使われています。その実物が以下の写真です。イラストとの違いはシートラグとシートチューブが一体になっていることです。
従って、ラグはトップチューブだけにしかなく、シートチューブには有りません。
次に7.~8.はヘッドチューブ部分です。ヘッドチューブと上下ラグが一体になっています。
また、ヘッドチューブの上下の端には補強のリブが入っています。
以下の写真はその実物です。イラストと同じです。
こうなると、ボトムブラケットとフォーククラウンもセットで開発されていたと考えられます。
以下はその実物です。ラグのヒゲの形状がヘッド部分やシート部分と良く似ていますので、フルセットで開発されたと考えられます。
ボトムブラケットもヘッドチューブと同様に両端に補強のリブが入っています。
フォーククラウンはいわゆるリヨン派と言われる二枚肩と呼ばれる形状です。
このフレームの材料はビチューのデュリホールです。
つまりこれらはビチューに作らせたNIVEX特製のフレームセットになります。
このフレームに付いても同じLeCYCLE誌に載っています。写真を良く見ると後ろ側のフレームのシートピン部分とヘッドチューブ部分が同じ形状になっているのが分かります。
しかも2台にフレームとも、ダウンチューブに「NIVEX」のデカールが見えます。
チェーンレストの付いたリヤエンドと専用のウィングボルトが付いているのが分かります。
つまり、当時NIVEX社はフレーム材料も発売していたか、あるいは発売しようとしていたことが分かります。
この記事に引用した自転車は現在私の手元に完成車として、乗れる状態にあります。
後日ご紹介いたします。