NIVEXについて 追伸3 でNIVEXはフレームの部材も開発していたと書きましたが、寸法関係と特徴のあるリヤエンドに使われるウィングボルトについて見てみます。
以下リブとは下図を指します。
まず、ヘッドチューブですが、補強のための両端にリブが付いています。この形状はナベックスやボカマのラグにも見られるものです。
ラグと一体構造ですが、その外径を測ってみました。塗装された部分をノギスで計りましたの多少の誤差があることをご了解下さい。比較対象は1968年のAlexSINGERです。(ヘッドチューブとラグが一体でないものでフレンチ規格)
胴部外径 リブ外径
NIVEX 31.8mm 32.3mm
AlexSINGER 32.3mm ----
チューブ外径はほぼ同じと言えます。
シートチューブの外径は
NIVEX 28.2mm
AlexSINGER 28.2mm
チューブ外径は同じです。
ボトムブラケットのチューブ外径は
胴部外径 リブ外径
NIVEX 38.6mm 41.9mm
AlexSINGER 42.9mm ----
リブ外径はほぼ同じと言えますが、本体部分の外径は約3mm細くなっています。
リブ部分を後から溶接した跡が見えます。
リヤエンドとウィングボルトは、カタログでは上部のマッドガードのステーの取付穴はありませんが、市販品にはあります。
ウィングボルトには数種類あった様です。
カタログでは上の2枚の写真の他に羽根部分に「NIVEX」と書かれたものもあります。このボルトが脱落しない様にスーパーチャンピオンのナットの内側にナットが見えます。
AlexSINGERの自転車ではこのナットとウィングボルトを使ってものがあまり見かけません。
Bellのウィングナットを改造して使用していることが良く見かけます。当時からNIVEXのウィングボルトがあまり流通していなかったのでしょうか。
チェーンレストを使い、このボルトを使うと言うことは、フリーの段数でいえば、+1段増えます。
4段フリーでは5段用、5段フリーでは6段用の専用シャフトが必要になります。カップ&コーンのハブ用のシャフトが併せて作られていました。
マキシカーでは専用のシャフトを用意していました。
NIVEXのリヤ変速機ですが、カタログには5段までと記載されていますが、チェーンレストを含め6段まで対応していました。
この変速機をフルセットで使うには色々な付随するパーツをそろえることになります。
これらをそろえるのは結構大変ですね。短命に終わったのはこのためかも知れませんね。